賃貸借契約、債務承認・債務弁済契約など契約についての公正証書は、原則として代理人
を
公証役場に出向かせて作成することができます。
ただし、任意後見契約については、性質上当事者においでいただくか、公証人が出張して当
事者
と直接会って作成する必要があります。
代理人を出向かせる場合、契約の相手方の関係者を出向かせると、法律上双方代
理になっ
てまずい場合が生じるので、できるだけ、出向かせる当事者側の人を代理人にするようにして
ください。
代理人を出向かせる場合、委任状が必要になります。
委任状の作成方法が分からない場合は、遠慮なく公証人にお申し出ください。
(自宅療養中)です。公正証書によって遺言ができますか。
遺言をする人に遺言をする判断能力がある限り、公正証書により遺言をすることができます。
公証人が病院(ご自宅)に出張する形でお作りします。
ただ、公正証書を作成する前提として、公証人が遺言をする人の意向を確かめなければなりま
せんし、作成に当たって必要な資料を事前に提出していただく必要があります。
使者となってくれる人がいるのであれば、その人に、どういう内容の遺言をしたいのか意向を伝
え、使者を通じて公証人にご意向をお知らせください。
場合によっては、公証人が公正証書作成前に出張して直接遺言をする人から話をうかがいます。
て賃貸借契約をしていましたが、その中に家賃をしばしば支払わない入居者がいます。
その入居者との間の賃貸借契約を、公正証書にすることのメリットは何でしょうか。
家賃を支払わない入居者から強制的にお金を取り立てようとする場合、通常であれば裁判を
起こして勝訴判決をもらう必要があります。
しかし、公正証書により賃貸借契約書を作成し、その中に強制執行認諾条項(賃借人は、この
証書記載の金銭債務を履行しないときは、ただちに強制執行に服する旨陳述したという条項)
を
入れておけば、裁判を起こさなくても、家賃の不払いがあれば、強制的にお金を取り立てる
ことができます。
ただ、公正証書によって強制執行をかけられるのは、金銭の一定額の債務(家賃はこれに当た
ります)に限ります。
強制的に退去を求めることは、裁判で勝訴しなければできません。
その他離婚給付契約、金銭消費貸借契約、債務承認・債務弁済契約等を強制執行認諾条項
付きの公正証書にしておけば、金銭債務の不払いがあった場合に強制執行がかけられます。
公証役場にお出でになる方が文書の作成者ご本人の場合と代理人の場合で異なりますし、
すでに署名押印済又は記名押印済の文書か、あるいは、まだ署名押印又は記名押印のない
文書かによって異なります。また、作成者が法人か個人かによって異なります。
- 本人(法人の場合は代表者)がお出でになる場合は、本人の身分証明資料として、個人
の場合は印鑑登録証明書(3か月以内)、運転免許証、旅券、写真付き住民基本台帳
カードの いずれか1点、法人の場合は印鑑証明書と法人の登記簿謄本が必要になりま
す(ちなみに一般に印鑑証明と呼ばれているものは、個人の場合は市区町村長が発行
する印鑑登録証明書であり、法人の場合は、登記官が発行する印鑑証明書です)。
そして、本人が公証役場に来て、公証人にその文書の署名押印又は記名押印は自分
がしたものであると自認していただきます。
また、本人がお 持ちになる文書がまだ本人の押印のない文書である場合、実印(本人
の身分証明が印鑑登録証明の場合又は法人の場合)又は認印が必要になります。
この場合、本人が公証人の面前で署名押印又は記名押印をしていただくことになります。 - 代理人がお出でになる場合は、本人から代理人宛の委任状(印鑑登録証明書又は印鑑
証明書を添付し実印を押したもの)と、すでに本人によって署名押印又は記名押印された
文書が必要です。また、代理人自身の身分証明資料が必要です。そして、代理人が公証
役場に来て、公証人にその文書の署名押印又は記名押印は本人がしたものであると本
人に代わって自認していただきます。 - その他外国向け文書など手続がわかりにくいものについては、公証役場にご相談ください。